プロフィール 愛知県生まれ。東京大学大学院工学系研究科修了。大学院在学中に「グノシー」のサービスを開発し、2012年11月にGunosyを創業、代表取締役に就任。
2012年度IPA未踏スーパークリエータ認定。2013年11月、代表取締役最高経営責任者に就任。2015年4月、東証マザーズに新規上場。
2018年8月、創業したGunosyの代表を退任し、ブロックチェーン関連事業を行う新会社「LayerX」の代表に就任。

よくいる普通の大学生時代、打ち込めるなにかが欲しかった

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あまり大学以前のお話がメディアに出ていないようだったので、まずは現在の福島さんを作った生い立ちや10代の頃の話をお聞きしたいです

本当にごく普通の中学生・高校生でした。僕と兄がいるんですけど、父親は公務員で、母親は子供が産まれてから専業主婦になって。今はまた働いてます。

出身は愛知ですよね?

そうですね、家族も全員、名古屋に住んでます。なんで、あんまりすごいエピソードとかはないんですよ。

中学と高校も名古屋ですか?

名古屋です。東京の人は、私立行く人多いじゃないですか。でも、名古屋では、進学校でも私立に行く文化がなくて、ほとんどが公立の中高校に行くんです。なんで、公立中学とか荒れててやばかったです。ビクビクしながら生きてました。中学とかは中学受験全くしないんで、そこで生き延びないといじめられるみたいな(笑)

なるほど…。高校では東大を目指す子が多い?

そうでもないですね。でも、一応通ってた学校は進学校だったので、みんな良い大学行くんですけど、東大行くのは年に2・3人とか。意外と地元志向が強くて、名古屋大学に100人とか行くんですよ。京大は何十人とかいくような学校でした。

部活とかもされていたんですか?

部活はバスケやってましたね。なので、めっちゃ普通な中高生だったと思います(笑)

意外です、そのまま東大は現役で進まれたんでしょうか?

いや、浪人してます。しかも、当初は東大じゃなくて名古屋大学を目指してました。でも、高校は普通に部活ばっかりで、正直勉強についていけてなくて。引退してから頑張ったんですけど、でもやっぱり間に合わなくて。で、まぁどうせ浪人するなら一番を目指したほうがいいなって思いました。あと、当時ドラゴン桜が流行ってたんで、とりあえず目指してみるかっていう(笑)

当時の福島さんのブログでは、大学3年生の時、友達と起業したと書いてありましたが、それ以前の起業に至るまでのきっかけを教えてください

高校生の時にlivedoorショックがあって、起業というものに興味を持ちました。とはいえ別に遠い世界の話だなくらいにしか思ってなくて。そういう人もいるんだ面白いな、奥菜恵と結婚したりとか思ってました(笑) 当時めちゃくちゃ起業したかったというよりは、そういうlivedoorショックの話もあって、すごい面白い人が起業してくんだなぁみたいなのがあったのと、その時にTNKで起業するってやつがいたんで、じゃあちょっと手伝うよみたいなノリでやっていた感じですね。

TNK(東大の起業家サークル)は最初から入ろうと?

いや、新歓でたまたま知りました。サッカーやりませんか?バスケしませんか?っていうところに、起業しませんか?って言ってるやつがいて、なんだこいつらみたいな(笑)ちょっとそれが面白くて、入りました。

1年生の時は、どう過ごされてたんでしょうか?

そのときは普通のサークルに入って飲み会とかやってました。それはそれで楽しいんですけど、ひとつのことに向かって自分が賭けれるものが欲しいっていう、よくある意識高い大学生みたいな悩みを抱えてました。元々部活をやってたんで、ひとつのことに取り組むとか、仲間と一緒に熱中するとかっていうのがすごい好きだったんです。大学に入ると無くなるじゃないですか。

福島さんも最初はみんなと同じ悩みを持っていたのはとても意外でした

その時、暇だったんで本とかバーッと読んでたときにウェブ進化論とかを読んで、インターネットって面白いなと思って。なのできっかけは極めて普通です。

学生起業で学んだ、やりやすいビジネスとやりにくいビジネス

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その後、サイネージ事業で起業され、ブログでは「ひどい失敗だった」と書いてありましたが、どういう学びがあったのでしょうか?

法人としてはあったんですが、メンバーの就活のタイミングとかで空中分解しちゃいましたね。その時僕が思ったのは、起業にやりやすいビジネスとやりにくいビジネスがあるなって思っていて。そういうサイネージや広告のビジネスってめちゃくちゃ営業力とコネが必要。あんまり学生向きじゃないなっていうのと、学生の自分に何ができるんだろっていうのを考えたときに、技術力の道を極めていった方がいいんじゃないかなっていうので、プログラミングとかを真剣にやるようになりました。

それがグノシーが生まれるきっかけだったんですね

そうですね。2011年くらいからかなりプログラミングの勉強をしました。大学4年か院生の時、当時流行っていたカジュアルゲームを開発してるベンチャーでインターンをしながら、学びました。後は、個人で受託したり。

就職しようとは思わなかったんですか?

普通に考えてはいましたね。ただ、院に進んだのは、もうちょっとモラトリアムが欲しいなみたいなところがあります(笑)あと理系だと、みんな特に考えずに大学院行くんで。なので、就活も別にしてなかったです。何もプロダクトないのに起業するっていうのも、こんな個人事業主みたいなのをやり続けても正直嫌だなっていうのもあって。

最初の開発は、福島さんお一人でされていたのでしょうか?

そうですね、最初の発案とか、本当に最初のちょっとコード書くくらいはやってました。でも、やっぱり最初から仲間がいた方がいいなとは思っていました。なので、「こういうの考えてて、一緒にやらない?」みたいな感じで集めましたね。

2011年、偶然でもあり必然だったインターネットの変革期

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グノシーの着想は、「個人の時代」が来るという文脈と、福島さんの研究テーマからも情報収集にペインがある点からだと書かれていました。福島さん自身もタイミングがすごくよかったとおっしゃっていますが、今もし”そのタイミング”や領域を見極めるとしたら、どういうところを見てますか?

感覚的な部分もあるんですけど、iPhoneが当初登場した時みんなおもちゃだって言ってたんですよ。iPodに電話が乗っただけでしょって。そこの感覚に少しギャップがあったというか。よく触ってもない人がおもちゃだって言ってるのに、触ったことがある人はずっとiPhoneめっちゃいい!って言っている。そういうギャップがあって。グノシーがスマホで伸びるかどうかっていうのは、あのときに戻って同じ情報を見てみるとかなりきわどく判断するのが難しいなと思います

当初はグノシーはブラウザベースでしたよね?

ですね、アプリっていうのも意識してなくて(笑)2011年はスマホの波もありましたが、もう1つは機械学習の波もあったなと思ってます。例えば、Googleは、検索エンジンでランク・ブレインって言って、その機械学習のロジックを入れ始めたのは2011年くらい。Facebookのフィードも時間順ではなくエッジランクっていう各ユーザーに最適化された順で並び替える仕様になったのもその年辺りです。 ちょうどあの頃データがめちゃくちゃ取れるようになったんですよね。自宅のデスクトップで調べ物をしてるだけじゃなくて、隙間時間にスマホでググれるようになった。普通の情報のインフラにインターネットが変わってった瞬間が、その年からだと思うんです。

当時自分がまさに最先端にいるユーザーとして、情報収集にペインがあるなっていうのも多分その後、普通の人はこれから体験する痛みを一番最初に体験していたっていう。すごく抽象的なんですが、評価にギャップがあるけど、これからみんなが体験していくよね、みたいなところが味わえるような場所が今一番面白いんじゃないかと。今のブロックチェーンが結構近い感覚と思うんですよ。

みんなが何ができるかわからないって言ってるような状況が似てるということでしょうか?

そうですね。状況を把握できてない人が多いけど、ただ実際もう世の中は変わっちゃってるみたいな。その、実際に分かってる人にとっては変わってるというか。とはいえ、色んなその芽があると思うんですけど、スマホの場合、普及速度が早かったのが結構あると思います。2007年に出て、2017年くらいには普通にマスになってる、10年で普及しきるものってなかなかないと思います。

たしかにiPhoneが登場した時はApple好きの人しか持ってなかった印象です。ニュースアプリのグノシーもフリマアプリのフリルも創業したのがちょうど2012年なんですよね。

そうですよね、同時多発的に集まる瞬間があるんですよね。インターネットの企業とかも見てると、結局時価総額1千億超えてる会社ってもう奇妙なくらい98年から2000年前後に集中しているんですよ。

それは変革期のタイミングに張れてたからっていうことですか?

ですね、そういう会社しか大きくならないんだなって。このスマホの時代を見て改めて強く思ったっていうか。それこそニュースアプリとフリマの会社ってもう2011年と2012年に集中してるんで。で、その中でも換金性が高くて、というか、お金に変わるのが早いビジネスと遅いビジネスってあると思うんです。

なるほど、その普及と換金性についてもう少し詳しく教えてください

例えば、メディアってマネタイズがわかりやすいじゃないですか。ユーザーがこれくらい集まってくれば広告があって、それがずっとキャッシュで回って広告を打ち続けられるんで。 一方でSaaSビジネスとか、やっぱあの瞬間では難しいなって思うんですよね。今でこそファイナンスのスキームがだいぶ発達してきたんで、ガツンと掘って成長スピード上げられますけど、基本的には積み上げ型。 なので、早く成長できるビジネスがその後全部を取れるっていう感覚があります。Googleが今でこそ自動運転やオフライン店舗とかやってるけど、それが先に始まることはない。つまり、検索エンジンを取ったから自動運転に行ける。キャッシュフローが早くて、人の集まりが早いところの方が先に成長して、他を飲み込んでいくのが、ソフトウェアのルールだと思います。

時代にあったタイミングかつ、事業として立ち上げやすい=利益を出すスピードの速さみたいなのも注目してるポイントだったんですね

そういうタイミングって多分、理不尽なくらいあると思うんですよね。特に黎明期の時とかって。理不尽なくらい立ち上がるビジネスと、理不尽なくらい立ち上がらないビジネス。

変革期のタイミングでいうと、アプリ領域が未開拓だった当時は分かりやすいですが、今みたいにある程度、開拓済みの地(アプリ)にこのまま張るのか、次の大きなものに張るかでいうと、タイミング含めどういう風に考えられてますか?

僕は、市場や課題が大きくてまだ誰もいないところに張ってしまった方が良いと思ってます。だって、今利用されてるサービスを見ても、Yahoo、楽天、Amazonとか。で、それが10年ぶりに初めてメルカリ・フリル・グノシー・スマートニュースって出てきて、それの間に生まれたサービスって覚えてますか?って言われると、多分ほぼ覚えてないと思うんですよね。もちろん流行り廃りはあって、その中ででも一時代を築くサービスはあると思うんですけど結局残らないっていうか。 Andreessen HorowitzのPodcastや動画をよく聞くんですが、面白かったのが10 Year Futures (Vs. What’s Happening Now)っていう今までモバイルに張っていて、次の10年は?っていう問いかけの動画があって。それすごい面白いです。

Facebookもモバイルに本気で舵切ったからうまくいったとかっていうのもありますよね

と思います。結局、a16zの結論はこの10年間の勝ち組はモバイルにかけた会社だよねと。で、彼が今1番何に投資してるのかっていうと、ブロックチェーン。多分a16zはNext 10 YearsはブロックチェーンとSaaS系のAIスタートアップを見てるんじゃないかなと思います。

シリアルアントレプレナーと創業することで感じたこと

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大学の同級生の関くん、吉田くんと3人で共同創業されましたが、学生起業家に向けてどういう風に共同創業者を見つけたらいいのかアドバイスがあれば教えてください。

2つあって、1つはシンプルに大学の同級生で、かつ同じ学科であの二人が一番優秀だった。で、起業する場合、圧倒的に重要なルールがあって、学歴がある人の方が勝ちやすいんですよね。学歴がある人が優れてると言いたいのではなく、アクセスできる人材の質に大きな差が出てしまうという話です。それはもうアメリカでも結果が出てて、例えば東大やスタンフォードっていう試験をくぐり抜けてきた中で、一番上の優秀層にアクセスできるので。そういうインナーサークルに入ってない人はもう意地でも、東大のエンジニアを連れてくるんだ!とかやらない限りは、成功確率は下がるだろうなと正直思っています。っていうぐらい、自分の周りにいる中で一番優秀な人を誘ってくればそれがベストパートナーになる、そういう視点で、やっぱ良い大学やコミュニティに自分が属しているか、その中で一番優秀な人を誘えるだけのコミュニケーション能力とか魅力付けができてるか、みたいなところがまず一番大事かなと思います。

もう1つは、Gunosyは学生起業だったんですけど、シリアル起業家と共同創業しました。日本だと特にシリアルと学生が一緒にやるっていうあんまりない事例だと思うんですよね。ようやく今は、ベンチャーが一周して、シリアルやエンジェルが生まれ始めていて。そういうパートナーを絶対探した方がいいと思います、圧倒的にショートカットできるんで。

シリアルアントレプレナーと組んで創業するっていうのはレアケースだと思うんですが、今のようにエンジェル投資家として伴走してくれる人みたいなことでしょうか?

もっとコミットさせた方がいいって感じです、シリーズA手前に1%保有とかではなく、10%とか20%とか、何十%でも渡してでもいいから、一緒の船に乗る。そういう例が出てくると面白いんじゃないかなって。

良ければその点で、気をつけた方がいいポイントなどあれば教えてください

(現在のベンチャーでマジョリティをもたないシリアルのエンジェル投資家が多いという状況を踏まえて)鈍感力が大事だと思います。結局シリアル起業家の方の言うことって全部正しく聞こえちゃいます。でも、ひとつひとつの意思決定でいうと結構間違ってるんですよね、やっぱり。シリアル起業家のすごいところって、予言能力が高いんじゃなくて”修正する力”なんだと思います。 僕らも例えば事業をやるときに、全部自分の言ってることが当たるなんて思ってない。実験的に試して試して、違ったらこう決める、合ってたらこう決めるっていうその連続的に意思決定してるんです。

経験のない学生からしたら、シリアルの声は正しく聞こえてしまいますしね

そうですね、当時の自分の反省点として、神の声みたいな感じで聞いてたんですよね。 この人がこう言ったからこう進めようと。じゃなくて、起業の本質って修正能力にあるんで。なので自分で考えて仮説を持って、その上でなぜこの人はこういう意思決定をしたんだろう、こういうアドバイスをくれるんだろうって考えておかないといけません。 もちろん仮説のセンスも重要ですけど。それ以上に、言ったことをバッと変えれるかとか、その変え方が正しい実験から得られる事実ベースに基づいて客観的に決めれているかっていう。そういうのって自分の頭で考えていないと判断できません。 その一方で起業家ってメンバーをモチベートしないといけないんで、こういうビジョンや夢があるんだとかを語るのも必要。だけど、ものすごい客観的な視点がないと、長い目で見ると破滅に向かっていくんで、すごく期待値の高い意思決定をずっとし続けなければいけない。で、その二面性を持ってなければいけないですよね。

その人が言っていることすべてが合ってたら絶対成功しますもんね

シリアルは、別に打率が高いわけじゃなくて修正能力が高い。言ってることはほとんど間違ってる、ってくらいの前提で鈍感的に聞いた方がいいと思います。で、自分と一緒に作っていくんだぐらいの気持ちで。大筋としての方向性とかって経験ある人は間違えないんで、こういうタイミングでこういう落とし穴がくるよねとか、組織ってこれぐらいで作っておかないといけないよねとか、そういう部分でのショートカットはできると思います。だた最も本質的に難しい事業の”何が当たるか分からない”っていう部分は結局ビギナーであろうがシリアルであろうが、同じぐらいの確率でしか当てられないっていう前提のもと、いろんな意見を聞いた方がいいなと思います。

大赤字を覚悟して打ったテレビCM、リスクのある決断がホームランになるかを分ける

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2014年頃、JAFCO、KDDIから12億円調達して、アプリもマス向けにピボットして、かなり赤字の状態になるにも関わらずCMを打たれたというのは、相当勇気のいる意思決定だったかと思います。どういう意思決定をされていたのかお聞きしたいです。

そこの意思決定をしたのは木村(新司)さんですね。今の自分ならできると思いますが、そこでもう今踏まないとダメだから踏もうみたいな意思決定は、当時の僕では出来なかったと思います。 その辺りがシリアルに入ってもらう強みですよね。あれが無かったら負けてたんで。負けてたら全部ゼロなんで。

何十億調達しろとか、マーケットフィットしてるから赤字掘ってもいいよみたいな事を言うのはチーム内ではなかなかできないですよね

一周回ってる人じゃないとなかなかできないと思います。シリアルの強みって余裕があることだと思っていて。当の起業家本人は、一発目だからここで成功したい。なので、これがゼロになるかもしれないっていうリスクってなかなか取れないんですよ。でも、ベンチャーってやっぱそのリスクをいかに取らせるかが超ホームランになるか、ヒットで終わるかの差を分けていると思います。それは自分だったらこんなんできないなぁっていうのはまさにそこの違い、もうゼロになってもいいって思ってないとそういう決断はできなかったんだと思います。赤字で終わったらどうするとか、このまま会社潰れたらどうなる、みたいなところじゃなくて、これがヒットで終わってしまうことが最悪だみたいな思考が大きなベンチャーを作るなぁと思います。

今では経営者の色の方が濃いと思いますが、エンジニアからキャリアをスタートした福島さんは、経営者になるためにどういった学習習慣や情報収集をされてましたか?

情報の集め方で意識してるというか、例えば自分が普通の会社に就職して、普通にエンジニアとして働いてたら、経営能力って磨かれなかったと思うんですよ。じゃあこの差はなんなんだと。結局、今のポジションと得られたチャンスの差だけなんじゃないかなと。別に、そうなった世界線の僕の頭の良さと、経営者である僕の頭の良さってそんな変わらないはずなんで。なので、常にチャンスが多い場所や情報が集まる場所、自分が意思決定しないといけない場所にいよう、みたいなことはすごく意識してます。

経営者であることと、経営の最前線に張り続けることみたいなのが一番大きい?

それが結局、経営者たる能力を育てるんじゃないかなと思います。最近は若いエンジニアの子で起業するっていうの増えてるんで、よく言ってるのは、とにかく早くコードを書くのをやめた方がいいと。最初にシードからプロダクトマーケットフィットまでは自分が絶対やったほうがいいと思います、その改善を知ってるのは武器になるので。ただそれ以降は、やりたくなるのは分かるんですが、経営の勝負になってくるんで経営に集中すべきですね。

極めてたものを捨ててまで、事業に賭けられる覚悟のある人

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どういうきっかけでエンジェル投資を始めたのでしょうか?

やっぱり自分の事業だけだとどうしても入ってくる情報が限られるんで。さっきの、どう情報を集めるかっていうのでやっぱり若い子に投資していって彼らしか見てない仮説とか、彼らがやる実験の結果を見てみたいなっていう。どっちかっていうと、お金っていうよりは、結局本業頑張った方が自分のお金も増えるし、それが社会から求められてる役割だと思うんで、あくまでそれを強化するための情報集めとしてやれればいいなっていうのが最初のきっかけです。なんで、めちゃくちゃ数やるっていうよりは、自分がやりたいなとか、ありそうだなって思う市場とか仮説を試してる根性ある子がいたら、あ、じゃあその先にある結果を見てみたいから投資してみようみたいな。最初の投資はCandle金くんでした。

エンジェル投資やってる方に聞くと、自分に焦りを感じるためだったり、領域に詳しくなるための情報収集、純粋に応援したいっていう理由と色々あると思うんですが、どんな側面が強いでしょうか?

全部ありますよ。応援したい気持ちもありますし、若い子がガンガンのびて来ると焦るなっていう良い側面もあります。すごい利己的な話をすると、自分が新しくビジネスをやる時に、いろんなモデルを知っておきたいのと、いろんな仮説とかを知っておきたいのと、あとやっぱずれてくるじゃないですか。自分が年齢上がって来ると。

Snapchatはその世代の人しか作れないですよね(笑)

ですね、グノシーは、その時自分がユーザーだったんですけど、今もう自分がユーザーじゃないんで、そういう感覚を持ってる子とか気になります。もし自分が、今の投資の基準で昔の僕に会った場合投資しないと思うんです。けど、今自分がこうなれてるっていうことは、やっぱその若くて伸びる子ってどういう子なんだろうみたいなのが、純粋に気になるっていう。

そこのハードルをパスしてきた人はどういう人が多かったのでしょうか?

今の日本のベンチャーの競争環境で、東大とかまで行くだけの頭の良さと、起業するだけの行動力があって、しかもぼくもう退学しても構わないっすみたいな、これで絶対成功しますみたいな覚悟が決まってるやつってほぼ100%成功すると思ってるんですよ。

でも最近じゃ結構多くないですか?

最近は増えたかもしれないですね。当時はもう相当アウトローな選択肢だったんで、金くんもそういう腹の据わり方がありました。例えば何か一個を極めたことがある、勉強でもスポーツでもなんでもいいんですけど、そういう人があえてそれを捨ててまで全部この起業っていう世界に賭けますってなった瞬間に、大事なのって学習能力だと思うんで、到達できちゃうと思うんですよ。で、もうあとは腹の据わり方だけっていうか。今まで何十年も生きてきて何も成し遂げてない人は、難しいですよね。

勝ちパターンがシンプルであればあるほどいい

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投資に至るケースと至らないケースお断りするケースでもし違いがあればいくつか教えてもらえると嬉しいです

まず自分のビジネスについて詳しくない人には絶対投資しないです。完璧にその業界に関して調べして会うわけではないので、当然相手に聞くじゃないですか。競合企業のKPIとか、どういう競争に賭けていて、それぞれの変数がどういう状態になれば良いのかとか。そこが整理されてない人は、整理されてないという時点で勝てないと思います。でも、別にその整理の結果が合ってるかなんて僕は評価のしようがないし、実際変わるじゃないですか。なんですけど、それを組み立てながら動けない人っていうのは、つまるところやる気がないのかなあって。ちゃんと調べてて、ちゃんと実行できているのか。今までどういう仮説と実験を繰り返してきたのか。今このプロダクトの形があるけど他に検討したものはなにで、それに対してどういう意思決定をしたの?とか聞いたりします。

密度の高いPDCA回して実験してるかどうかみたいなのがやっぱり重要なんですね

そうですね。シードとかだったらもう結局そこはできてるかできてないかですね。ある程度シリーズが進んでるようなところだと、自分でモデル書いてバリエーションを評価してみます。そこで高すぎるなと感じたものは投資しないですね。 あと、すでに大きな調達額があつまっててもなんとなく周りが評価しているだけで、これとこれをやれば勝てるよねみたいなのが揃ってない会社、つまりマーケットフィットが終わっていない会社って実は結構あると思っていて。そういうのは僕的に言うと、投資しない会社。逆にまだ小さくても実はそれが揃っている会社とかに投資したいです。で僕はやっぱそれがシンプルであればあるほどいいと思うんですよ。ビジネスって実はそんなに複雑じゃないんで、ほとんど一つのことを突き詰めることで勝てるんじゃないかって思うんですよ。どこまで削り落とせるか。 でもなんか反論したくなるじゃないですか。いやいやここも大事だしここも大事だし…。とはいえ、大事さで言うとものすごい差があるよ!みたいな、その一個を見つけられてるかが重要だと思います。

ステージだとどこの投資が多いのでしょうか?

10社くらい入れてるんですけど全ラウンド入れてますね。レイターも入れてますし。 高すぎるってさっき言ったんですけど、レイターのケースでもうモデルもしっかりしてて、あとはもう実は行くだけです、で行った時に最後どれくらいの規模行くかだけがわかりません、ダウンサイドは限定的ですって時はどんなに高そうに見えても入れますね。逆に、そこが不確かで高すぎると感じたものは絶対入れないですね。この感覚は結構あってると思いますね。

いろんな基準があると思うんですけど、実はまだプロダクトマーケットフィットすら終わってないんじゃないかみたいな会社も、あるじゃないですか。

例えばシードの場合だと、プロダクトがないみたいな状況があると思うのですが、どう判断されてますか?

そうですね、その場合はもう気合い見るしか無いですね(笑)

なるほど(笑)最近だと、ニッチでマーケットフィットはしそうだけど、スケールはせずに終わるかもしれないみたいな悩ましい時ありませんか?

それは投資方針による気がしますね。僕の投資方針だと、そんなに、Snapchatみたいなの出てこないなっていう方針で投資してて。そもそもそういうテールな現象に張ってないというか。で、もうマーケットフィットしそうだけど、そこは最低限の力じゃないですか。プロダクトマーケットフィットできますみたいなのは。で、その上はあとはなにが当たるかわかりませんみたいな。要は当初思ってた仮説にたいしては外れたけどSnapchatみたいなものを当てるには結局もう大量に張るしかないって考えてます。

エンジェル投資家をする人が増えていますが、起業家側にもし自分を選んでもらうとしたらどういうストロングポイントになれるのかがあれば教えてください

難しいなぁ、あんまりない気がしますね。

え!(笑)そんなこと言わずに…!

モデルが社内で作りきれてない、伸びる構造の解像度が荒いけど、マーケットが良くて伸び始めてるみたいなところには、なにか提供できるかもしれないです。結局なにが当たるんですかって聞かれても僕はやっぱ答えられないんで。例えばGunosyの経営のやり方だったりこういうKPIの設計をして、こういう組織にこういう責任を持たせた方がワークするよとか、こういうメンバー集めてきた方がいいよとか、そういう骨組みを作るところをアドバリューできると思います。

マーケットフィットして伸び始めているところにさらに福島さんがいろんなノウハウを注入して思いっきりブーストさせるみたいなところでしょうか?

ですね。逆に、ゼロから何かをアドバイスして欲しいとか、シードのときは頑張れ!としか言えないです(笑)でも、学歴とかきれいな職歴とか今まで積み上げたものをあえて捨ててまで、この世界に賭けようって本気で思っている人だったら、本当に心からそう思ってるなと思えたら投資します。そういう人の後押しはできると思います。

エンジェル投資はある種のエゴ、連続起業家を体現したい

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新しく設立されたLayerXやGunosyは一度置いといて、シンプルに起業家、延長にあるエンジェル投資家として、今後どういう風になっていきたいか教えてください

それでいうと、やっぱり起業家として最前線にいる側にいたいと思っています。投資家になるつもりはなくて。エンジェル投資をしてるのも、全て、まぁある種自分のエゴというか、自分の起業家人生の中で、当然起業していく仲間とかネットワークも欲しいし、情報も集まってくるし、その中で助けたいっていうのがあるんですけど、あくまで結構自分のためにやってるっていうところなので。

やっぱり、何個も何個もちゃんと事業を作って残るものが作れる起業家にはなりたいなと思っています。それこそシリコンバレーのシリアルアントレプレナーみたいな概念をちゃんと体現できるような人になりたいですね。

エンジェル投資もずっとやっていくために、若い人とかのアクセス権を得るために、やっている。そんな感覚でやってますね。こちらが教えてください!みたいな(笑) で、実際やっぱり話聞いてると、投資してよかったなって思う人は例えば月一とか会うじゃないですか。そうするとこっちが勉強になるんですよ。 逆に、投資して伸び悩んでるベンチャーはこっちが教えることが多い。で、こっちが学んだ上で、とはいえ、会う。そしたら、その状況だと次はこういうことが起こりうるよとかは言えるじゃないですか。その感覚が、一緒に共有できる人に投資したいですね。

最後に、起業家に向けてメッセージをお願いします