こんにちは@shotaです。
昨今のスタートアップ状況はお金の出し手が増え、シードマネーが溢れるようになり、起業家側がお金の出し手を選べる機会が増えていると感じます。 そういった背景もあり、お金とセットで自分のスタートアップをバリューアップしてくれるエンジェルを応援団に入れたいと思うスタートアップも増えてきてるのではないかと思います。

エンジェル投資をしている知り合いが周りにいることもあり、彼らがどういう生態系でどのようにに接すれば、直接会い投資まで引き出せるのかを書きたいと思います。

まず最初に

一口に言ってもエンジェル投資の定義も広いので、ここでは主に株式上場や時価総額数十億円といった額でM&Aされるような、スケールするビジネスに取り組んでいるスタートアップへ投資すること、エンジェル投資家も元々、スタートアップ側の立場で成功後にお金を出す側に回った方のことを指すようにします。

なので、東京の恵比寿でおしゃれな焼き鳥屋を始めたいので出資して欲しいと言った投資もちろんケースによると思いますが、少し違うかなというイメージです。

エンジェル投資家の前提知識

まず、ここでは自分が知っているエンジェル投資家と呼ばれる方がどういう生態をしているのか分かる範囲で書こうと思います。

エンジェル投資家は忙しい

自分が知る限り、エンジェル投資だけをやっている方はあまりいません。 大体は本業としてやっているビジネスに多大なリソースを割いている、もしくは次のビジネスを始めるために何かに取り組んでおり、子育てに専念したい、少しゆっくりしたいなどのケースもあるので、状況にもよりますが、エンジェル投資のみに割ける時間やマインドシェアが多いわけではありません。

エンジェル投資家は待てる

エンジェル投資家はそれが本業ではないケースが多いため、ベンチャー企業に出資をするVCと違い必ず出資する必然性はないのです。 なので、エンジェル投資家と名乗っている方が、常に投資先を探している状態とは限りません。

エンジェル投資家はたくさん投資オファーをもらう

これはもちろんエンジェル投資家によりますが、自分が知っている人気のエンジェル投資家は常に色々な経路から多ければ月に30件近く投資のオファーをもらいます。

前提として、エンジェル投資家は誰もがどういう人かを知ってることが多いと思いますが、逆に投資の依頼をしてくる起業家の事はほとんど知らないのです。 つまり、あなたの事は全く知らないし、あなたの連絡した投資依頼のメッセージは30件近い他のスタートアップと競争状態にあるわけです。

エンジェル投資家は返事をしない

エンジェル投資家に思い切ってFacebookメッセンジャーやtwitterのDMで投資依頼の連絡をしたものの、実際に連絡してみたものの「返信がない」という状況の人もいると思います。 エンジェル投資側の気持ちとして共通してるのは、「一旦返信してやり取りはじまったりすると、断るのが面倒」「さらに会っちゃうと、断るのが面倒」というインサイトです。

まして、あなたが送ってきてくれた、事業プランや経歴などに、多少の不備が会ったとしても、それをあなたに懇切丁寧に返事をして、不足分を埋めてあげるような義理もないのです。

エンジェル投資家が投資をする理由は様々

自分が知る限り、エンジェル投資家の方でガッツリそれで稼ぎたいという方はほとんどいません。 むしろ、

  • 自分と違う世代の起業家がどういう仮説を基に事業をやっているのか知りたい
  • 自分が知らない領域のビジネスの構造を理解したい
  • 誰かに知識やノウハウを教えることで学びを強化したり、逆に投資先の起業家から自分も学びたい
  • 純粋にその起業家を応援したい、自分の起業家としての評判を更に上げていきたい
  • スタートアップのエコシステムを良くしていく事に貢献したい

こう言った理由の方が多いと思います。 むしろキャピタルゲインが出た場合はオマケみたいなもので、そのお金は更に投資に回す人の方が多いんじゃないでしょうか。

こう言った状況を踏まえると

大体の方はTwitterやFacebookのメッセージ、もしくはメールを利用してエンジェルの方にコンタクトを試みる方が多いと思いますが、気をつけておくべきポイントを記載しておきます。

まずお前誰?をきちんと説明

よく見かけるケースとして、いきなりサービス説明に入る場合が多いです。

はじめまして!突然のご連絡失礼いたします。 株式会社◯◯の◯◯と申します。 現在、◯◯のサービスを開発しており〜〜〜〜

以下、サービス説明後に投資の依頼で締めくくり

場合によって自分のプロフィールのリンク等を置いてくれる方もいるのですが、たくさん連絡が来てるといちいちリンクを開かないケースもあります。

シードの場合はプランより創業者を見て投資するケースも多いので、触りに少しでも自分のキャッチーな説明を入れた方がおっ!となって目を通してもらえやすいです。 キャッチーなものがない場合は無理矢理入れましょう。

はじめまして!突然のご連絡失礼いたします。 株式会社◯◯の◯◯と申します。 5年間の◯◯の分野でマーケティングを経験してました

とか

サイバーエージェントを卒業したエンジニア3人組のチームです。

とか

大学で◯◯の研究をしております。

とかですね。

簡潔で適切な情報量を書く

たまにこう言った投資依頼も見かけます。

株式会社◯◯の◯◯と申します。 ◯◯向けの◯◯を開発、運営しており、 事業の壁打ち、資金調達のご相談をお願いしたいと思い、メッセージを送らせて頂きました。 是非、一度お会いいただけませんでしょうか?

人によって月に30件以上の投資のリクエストをもらっている場合、 事業やチームの説明がほとんどなく、投資して欲しい、アドバイスして欲しいと言った内容のみで、こちら側が返信する事で初めて情報の差分が埋まる場合もあまり返信されません。

その逆で冗長的に文章が長いパターンも読んでいくうちにウッとなり、結局長々と書いてるけど、何の問題を解決したいのか、どんなプロダクトを作りたいのかが分からず、返信しないという場合も多いです。

何よりエンジェル投資家は時間が貴重な資産なので、相手目線に立った文章を心掛けましょう。

1回目の情報が過不足ないようにする

人気のエンジェル投資家は月に何十件もの投資のリクエストをもらうので、過不足なく適切な情報を簡潔に伝えるのが重要です。 少なくとも下記の情報は押さえておくと良いと思います。

  • 「誰の」「どのような課題」を「どう解決する」サービスなのか
  • 現在、その課題を抱えている人には、どのような解決策が存在するのか?
  • その人達が既存の解決方法でなくあなたのサービスを使う理由は何か?
  • どのようにマネタイズするつもりか?
  • あなたとチームメンバーのプロフィール
  • 既に外部から出資を受けているか?
  • エンジェルからの投資をご希望するか?

オマケ

これは真実ですが、ぶっちゃけ紹介経由で会うのが一番会ってもらえるケースが多いです。とはいえ紹介してもらう側に実力を証明することも必要なので、狙っているエンジェルの方がいるようであれば、その方を紹介してもらえそうな方に実力を認めてもらえるよう動いてみましょう。

良ければ「ANGEL PORT」を利用してみてください。
では、また。