【家入一真】物語を綴るように起業しよう
社会不適合が転じて、人の心に寄り添う起業家・エンジェル投資家に
では最初に、起業の経緯とエンジェル投資家になった背景について伺いたいと思います。他のインタビューでも話されていると思いますが、最初に起業しようと思ったきっかけは何ですか?
最初の起業は、21歳の時に創業した株式会社paperboy&co.(現GMOペパボ)だったんですが、当時も今も、会社をつくる時、特に夢や野望、野心があったわけではないんですよね。純粋に、「こういうものがあれば良いな」という、自分や身近の困っている人に向けて、サービスをつくろうと始める時が多くて。ペパボの時も同じでした。当時、自分が描いた絵を表現する場としてホームページを作っていたんですが、無料レンタルサーバーは広告が大きく出るから使うのが嫌だったんですよ。でも、当時有料のレンタルサーバーとなると高かったんです。だから、もっと個人のお小遣いで使えるくらいの価格帯で、かつ学生も使いたくなるようなものがあれば良いのにと思って、そして何より、自分が使いたいと思えるものをつくろうと考えたのがきっかけですね。
そうだったんですね。その前には、確か会社に勤められていたんですよね?
何回かは勤めていたのですが、社会不適合すぎてどれもクビになりました・・。朝起きられないし、時間を守れないから、むしろ起業が残された唯一の道だったんです。とは言え、人とはあんまり会いたくないので、「インターネットで何かしたい、人が欲しがるものは何かな」って思った時に浮かんだアイディアが ロリポップ! だったんですよね。
そこで、サーバーを借りるとかで法人アカウントが必要になった時に、止むを得ず消費者金融から数十万円を借り入れしながら小さく起業したんです。ただ、周りに同世代の起業家も、相談できる人もいない状況で。地方で何かしら声を上げようと思う、当時の自分のような若い起業家に対して、「こういうことをしてあげたかったな」「こういう場があれば挑戦しやすくなるかな」という想いを感じたのが、エンジェル投資を始めたきっかけです。
そういう意味で言うと、当時メンターのような存在や、よく相談されていた方はいらっしゃらなかったんですか?
いなかったですね。昔から、相談できる先輩や、憧れる人がそんなにいないんですよ。って言ったらちょっとかっこよく聞こえるかもしれないですけど(笑)例えば、25歳の時にGMOインターネットの熊谷さんに出会った後一時期は、「彼ような経営者になりたい」と思って、スーツを毎日着て張り切っていました。でも、1年くらいすると「僕には熊谷さんみたいになれない」と心が折れて。逆に言うと、熊谷さんも僕にはなれないんですよね。なりたいかどうかは別として(笑)僕は、「この人のこういうところが好きだなぁ」と感じるのは得意な方なので、その都度出会う経営者を丸々真似るとか、盲信するとかではなく、彼らの一部を吸収しながらこれまでやってきた気がしますね。
それって、幼少期からそうだったんでしょうか?周囲との距離感というか。
どうだったんだろう・・。僕、中2の時にいじめにあってそこからほとんど学校に行ってないんですけど、それまでは割とクラスの中心でおちゃらけてワーワー言ってる方だったと思います。子供って、毎日のようにいろんな遊びをするじゃないですか。でも、時々気が乗らない時があって、そういう時に「今日はそういう気分じゃないから、帰ります・・」と発言することはよくありました。当時の友達からすると「え、何で?楽しいし遊ぼうよ」って思うだろうし、理解できないですよね。でも、1人になりたい時も多かったです。結局変わってない。
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マイノリティーや、弱い立場の人たちの目線に立って物事を考える
そうなんですね。その頃から、他者に流されないというか、自分の意志を強く持たれていたんですか?
どうなんでしょうね。僕、運動が苦手で、体育だけずっと評価が1だったんですけど、集団競技で負けるといつも僕のせいになるんですよ。ムカデ競争でコケると絶対僕のせいになるし、全校マラソンでも、男子だけでなく女子にも抜かれて、最後に太っている子と僕が拍手で迎えられるという。息継ぎができないので、水泳も3メートルしか泳げなかったり。
3メートルは、泳ぐというより最初のキックだけで進めそうですね(笑)
だから、常に運動ができないというだけで、マイノリティ側になってしまうのが、ずっと子供心に引っかかっていましたね。だから今でも、体育会系のノリはあんまり好きじゃなかったりしますね。僕の思い込みかもしれないですけど、リーダーとかって、体育会系の方が多いじゃないですか。モテるし、いけ好かないんですよね・・。
(笑)ところで、絵は幼い頃から描かれていたんですよね?どなたかの影響を受けていらっしゃったのですか?
そうです。絵は幼稚園の頃から描いていました。父親が、絵の学校や電気系の大学出身だったので、まさにその2つを受け継いだ感じではありますね。小さい頃から、家で父親が絵を描いているのを見て、僕も暇さえあればよく描いていましたね。
ちなみに、家入さんは長男でしたよね?
はい。2歳離れた妹と、一回りくらい離れた弟がいます。勉強もすごくできたわけではなく、国語だけ突出しているけど、それ以外は普通、運動が1みたいな感じでしたね。
だから言葉の表現に長けているんですね。
強い人と弱い人がいた時に、一概には言えないですけど、常に弱い人間の側に何ができるかというのは、自己体験とか過去に基づいているような気はしますね。
人の良いところを見つけるのが得意なんですか?
そうですね。たまにすげームカつく奴もいますけど、そのムカつく部分も「人間臭い」と言えば人間臭いというか。僕はあんまり、怒ったりしないんですよね。これは、怒らないと言うと優しい人のように聞こえますが、怒ると、逆ギレした社員が僕を殴って打ち所が悪くて死ぬんじゃないかということに常に怯えていて・・。
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えっ!それは本気で思っているんですか?
本気ですよ!僕、自分が死ぬ時をよく想像するんです。大体イメージできるのは、、年取って家で孤独死するとか、酔っ払ったサラリーマンに駅のホームで絡まれて、殴られて打ち所が悪くて死ぬとか。だから、絶対に電車に乗らないようにしたり、小動物みたいに怯えてます。田舎だと、お風呂にでっかい蚊みたいなのがいませんか?あいつって、シャワーに当たると死ぬんすよ。シャワーの水圧に負けて死ぬって、結構弱くないですか。蚊とか見ると、結構自分のことを思い出しますね。なので・・あれ、何の話でしたっけ?
人の弱いところを・・という話から、他人に怒らないという話の途中でしたね(笑)
あ、そうそう。だから、誰か他人を怒らせると殺されてしまうんじゃないかという恐怖が常にあるので、滅多に怒らないです。もちろん、「これは相手の為になる」と思った場合は、マンツーで叱ることはありますが、それも別に怒鳴る必要は無いじゃないですか。
そういう思考は、もともと持たれていたんですか?
そうですね。幼い頃からそうだったと思いますし、起業してからも怒ったことはあまり無いですね。基本的にはスタッフを信頼して任せるスタンスでやっていますし、「信頼するということは、見返りを求めず、その人が何をやろうと失敗しようと、全部背負う」ということだと思っていますので、「任せたのに、成績が良くない」だとか「信頼してるのに、何でこんなことをするんだ」と怒るのは違うと思いますね。このスタンスでやっていると、基本的に怒ることは無いですね。マネジメントで言うとこんな感じですね。
先ほど国語力の話がありましたが、昔から本はよく読まれていたんですか?
そうですね、本は好きなのでよく読みます。ブクログってサービスを個人で作ったり、一時期は個人で出版社のオーナーになったりもするくらい、本は好きです。ビジネス書やマネージメント書は全然読みませんが、哲学や宗教、社会学などの本は好きでよく読みますね。起業や経営の本を読まないのは、たまたま成功した人たちの「これが正解」ということが載っているものは読んでてムカつくんですよね(笑)組織は常に問題の巣であるし、過去に学ぶことは必要だとは思いますが、世の中に答えは無いと思うので、その時その時の状況で答えは変わっていきますし。
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その人自身の人生の物語が投資の決め手
では、少し話を変えてエンジェル投資について伺いたいと思います。これまで、50社以上に投資されてきていると思いますが、
そうですね。12年前くらいからやってますので、なんだかんだ増えてきました。。
最初に投資された企業との出会いやきっかけを教えていただけますか?
最初は、26歳の時に投資した、デザインアートのポータルでした。もともと芸大を目指していたということもありよく見てたサイトでしたので、偶然イベントで出会って、即出資しますとお話した記憶があります。当時はまだ名前を出してエンジェル投資家〜なんて活動をされている方は少なかったように思います。
26歳ということは、GMOに株を売却(2004年)された後ですね。
はい。当時まだ、WebデザインではFlashが全盛期で、Flashアーティストが集まるイベントを彼が主催している時に知り合って、投資に至ったという感じですね。
決め手は何だったんですか?また、投資のスタイルや判断基準は、50社の中で変わってきていますか?
何だったんだろう。んー・・。基本的にスタイルは変わってないですね。事業に出すというよりかは、人に出資するというスタイルです。あとは、「何でその事業をやろうと思っているか」の部分において、バックグラウンドにちゃんと物語があるものが好きですね。日々、イベントで起業家志望の子に出会ったり、直接ご連絡をいただいて相談に乗ることもあるんですけど、事業計画などよりも、「そもそも何でやるの?」という話を掘り下げて聞きます。もちろん、事業内容についてアドバイスなどをすることもありますが、「これだけ世の中にビジネスが溢れている中で、何故それをわざわざあなたがやる必要があるの?」と。
例えば、僕が明日死んだとしても、世の中は回るんですよね。多少悲しんでくれる人はいるかもしれないけれど、世界中のほとんどの人にとって、何も影響が無いわけです。起業って、社会という池に石を投げるということだと僕は思っているのですが、わざわざ波紋を起こす必要がなぜあるのか。「それは、本当にあなたがやる必要があるんですか?」と掘り下げていくと、例えば「実は、幼少期にこういう辛いことがあったので、それを世の中から無くしたいと思い、こういうことをやろうと思ってます」なんてドロッとした思いが溢れ出てくるわけですよ。だから、僕の投資先で一致しているものは、全て物語がある起業家で、その「人」の「物語」に「登場人物として参加をしたくて」出資をするという感じですね。
なるほど、その人の人生の物語を見られているんですね。
だから、彼らがピボットしようが何しようが全然構わないです。全ては物語の延長線上なので。バックグラウンドに物語がある人間は、ボロボロになりながらでも、何度でも打席に立てる人間だと思っています。
そうなんですね。ではせっかくなので、投資先の起業家にどういう物語があったか、教えていただけたりしますか?
投資先の一つに「メメントモリ」という、遺灰から花を咲かせるサービスをやっている会社があります。このメメントモリの起業家は、葬儀屋の2代目で、葬儀も値段が下落していく中で、新しい価値を生まないとダメだという思いで起業しました。もともとデコ棺桶というものをやっていたんですが、全然上手くいかなくて、今は遺灰から花を咲かせて、その花を樹脂で固めてジュエリーにするというものをやっています。この話を聞いただけで惚れましたね。彼自身がお父さんを亡くされた後、いつもお父さんを感じていたいのに、お墓に入るとそれっきりになってしまうと。どうしたら良いかと考え、常にジュエリーとして身に纏えるというアイディアで、これだとお父さんを常に近くに感じていられるという。ウェアラブル墓っていう言い方をしていたんですけど、めちゃくちゃ良い話だと思ったんです。
戻って来られる”居場所”があることで、人は挑戦できる
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確かに、実体験に基づいた良い話ですね。そういった方々とは、どのような経緯で出会う方が多いですか?
割と毎日、直接ご連絡をいただいたりします。ただ、全ての方にお会いできるわけではないですが・・。あとは、リバ邸という駆け込み寺(シェアハウス)をやってまして。中2で引き篭もりになった当時の僕のような、学校を中退したり、休学したり、就職したけど鬱になって会社に行けなくなっちゃったというような、一般社会から”ドロップアウト”してしまうような人たちはたくさんいて、そういう人たちの「1人だと何もできない」と思い込んでいるけれど、その人たちが何人か集まれば「何かできるかもしれない」という場を作ろうという背景で、リバ邸をつくったんです。
確かBASEもリバ邸発でしたよね?
そうです。代表の鶴岡くんも、初期メンバーもリバ邸出身ですし、DMM.comにジョインしたPOOLを運営するピックアップ株式会社の宮本くんも初期のリバ邸メンバーです。他にもすでにバイアウトして成功した若手起業家も数人いますし、資金調達が順調に行ってる子たちもいます。割と、リバ邸から起業家が生まれているんですよね。 そこから起業家が生まれるということは当時は想定していなくて、とりあえず生きていける場所を作ろうとしたんです。人間は、居場所があれば生きていけると思っていて。居場所の定義は、“「おかえり」と言ってもらえる場所”だと僕は思っています。例えばリバ邸に住んでる子たちの中にも、「いつまでもこんな所にいられない!」と言って出ていく子だったり、起業するとか就職するとかで卒業して行く子たちもたくさんいますが、失敗しても「最悪そこに戻ってくればいいや」と思える場所があると、人間わりとチャレンジできると思うんですよね。僕にとっては今まで作った会社も居場所ですし、未だにペパボにいくと、もはや知らない社員もたくさんいますが、一部の昔からいる社員がおかえりと言ってくれるし、BASEに行ってもそうですし。起業することで、自分にとっておかえりと言ってもらえる場所を作っているんだなぁと思います。
それと同じように、リバ邸という居場所を作ってあげることが、みんなにとって、自分は生きていてもいいんだと思える場所を作ることになる、と考えていたんですが、結果的にそこから起業する人がどんどん出てきて、上手くいきはじめて、その結果を見ると「人間って場所があるとチャレンジできるんだな」って思いました。
みんな、不安じゃないですか。強く見える起業家だって、不安を抱えながら生きていますよ。人間なんて脆くて弱い生き物で。何か新しいことをする時は不安なので、そういう時に応援してくれる仲間がいたり、「最悪失敗しても戻ってくればいいや」と思える居場所があれば、みんな挑戦しやすくなりますよね。
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不可避な課題を解決しようとしている企業に魅力を感じる
ちなみに、一方でジャンルや興味ある分野で投資したりもするんですか?
ざっくりとはありますね。もちろんその時の興味範囲で左右されますけど。今だと、課題解決型の企業はいいなと思っています。
例えば、僕ら日本人は、国が成熟して、豊かさが実った、希望も絶望もないその先を歩んでると思っていて。高度経済成長で豊かになって、みんなで幸せになろう!というものがものさしであった時代というのは、目指すべきものがあるからみんな頑張れるんですよね。でも、もはやその豊かさも実ってしまっていて、何を目指して良いかわからない、何が幸せかという基準が無くなってしまったんです。それぞれがそれぞれのものさしを持てれば良いですけど、そんな簡単に持てないんですよ。「何で俺は働いてるんだろう」「何で俺は生きてるんだろう」という心の病がこれから増えていくと思います。さらに、長期的に見ると少子高齢化などで日本経済は小さくなっていくのは目に見えてますし、そうなると、セーフティネットが崩壊していくのも容易に想像ができます。国が今まで面倒見ていた部分が面倒を見切れなくなってくるんです。社会制度からこぼれ落ちる人がめちゃくちゃ今後出てくると思います。 その時に、民間でどういった居場所を作れるか、どういったビジネスを通じて、こぼれ落ちる人のために何ができるかを考える必要がある。例えば、貧困とか学ぶ機会とか健康とか心の問題とか介護とか子育てとか。色々な問題が噴出してきて、目も当てられない状況になってくるだろうなと僕は思っていて。 その時に何ができるのか、そこに対してビジネスを通じて何ができるかを考えるべきだし、そういった課題に向き合う企業に、出資したいなと思っています。
例えば、カロミルという健康管理のアプリを提供するライフログ会社に投資しています。もともと機械学習をずっと研究してきた方がやっているのですが、健康だけじゃなくて今後は睡眠や心の問題に対して、民間からサポートしていくことができるんじゃないかと考えている会社です。
また、最近追加で投資した株式会社Flamingoは、日本で生きる在日外国人の方のために何ができるか、みたいなことを考えていますし、少し前にLITALICOさんにEXITしたU2plusは、うつ病を抱える方同士のコミュニティを提供していました。
ありがとうございます。家入さんから起業家に連絡をとることもありますか?
はい、ありますよ。基本的に1日中ネットサーフィンやツイッターをしてますので、そこで見つけたり、知人から話を聞いて「それはやばい!」と思って連絡したり。
投資の際のフェーズや規模感については気にされていますか?
あまり気にしてないですね。ただ、僕の価値というか僕が出資をして何ができるかを考えると、何をやるかもまだ決まってないような初期の初期に出資して、まぁメンターじゃないですけど、コンセプトメイキングだったりメンタリングしていくことが多いですね。また、基本的に持株比率がどうだとかバリュエーションがどうかは気にしていないです。
金額的にはどれくらいですか?
数百万から数千万円ですかね。
どのくらいの頻度で投資されていますか?
一旦去年は落ち着いていたんですが、最近また増えていますね。多い時で月に2〜3件と被ることもあります。もともと大学生起業家が多かったですが、最近は17歳の起業相談なども増えてきました。リバ邸もそうですが、ドロップアウトしてしまう子や起業したい子たちなどの緩やかなコミュニティを形成して行って、そこからチャレンジする子には全てノールックで投資する、みたいなことをやって生きたいなあとは思っています。
最近、あー出資したい!と思った事例を紹介しますね。これもかつてリバ邸に住んでいた子なんですが、この2年くらいずっと起業するって言っていて、でも会う度にやることが変わっていたんです。「ドローンくると思うんですよ、VRくると思うんですよ」みたいな。僕はその子自身が好きだから、何をやってもいいけど、1個何やるか決めないと一生ぶれながら終わるよ!みたいな話をして。その半年後くらいに、あいつ元気かな?と思って連絡したら返事が来なかったんです。1週間くらい後に連絡がきて、「すみません、入院していました」と。大丈夫なの?と聞いたら、「この前シーシャを吸いに行ったら店側のミスで中の水が全部アルコールだったらしく、ぶったおれて緊急入院していました」と。でも、「それで示談金をもらったのでこれで起業します!」と言っていて、その時にあ、出資したい!!!って思いましたね(笑)
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(笑)結局内容は決まっていたんですか?
決まってないんじゃないですかね?(笑)
ライオンプロジェクトの五十君くんとかも同じですよね。お金が無くなっても例えばキャバクラのキャッチをしながらでも会社を継続させるんですよね。会社をつぶさないって最高のハックですよ。すごくないですか?その気合いがあれば絶対成功するじゃないですか。人間を見るって言い方をしているのも、自分が起業したりやろうとしていることに対して、何かしらその裏に過去の体験やコンプレックスが物語として存在する人間は、何度でも立ち上がるんですよ。今やっているビジネスが上手くいかなくても、何度も何度も打席に立ってバットを振り続けられると、絶対いつかは成功するんです。なので、成功確度をあげられるというよりは、とにかく打席に立ち続けられる人間か否かを見ていますね。そういう人間って、ただの学歴や優秀さには数字として表れないんですよね、もちろん、頭が良くて根性がある人もいるので、一概に学歴でどうのこうの言うつもりはないですが、僕はどちらかと言うと野武士みたいな、竹槍をもって突っ込んでいく人間が好きですね。delyの堀江くんとかもそうですね。インターネットやテクノロジーは農民にとっての竹槍のようなものだと信じてます。
誰か1人の顔を思い浮かべて、手紙を書くようにビジネスを作れ
個人をエンパワーする時代になってきていると思うんですが、Studygiftも今なら時代にあっているように感じますし、こういった個人をエンパワーメントするサービスにはいつも家入さんが絡んでるように感じるのですが、そこには何かヒントがあるんでしょうか?
僕自身が事業を作るときや、僕の支援する若い子達常に言っているのが、『身近な誰か1人の顔を思い浮かべ、その人に手紙を書くようにビジネスを作れ』ってことですね。 20代の女性に向けて〜とか30代の経営者に向けて〜とか、みんなすぐそういうことを言っちゃうんだけど、顔が見えない匿名の相手に何かを提供しようとしても、結局誰に刺さっているかわからないまま終わってしまうんですよ。もちろん、そういうやり方で上手くいく人もいるとは思うし、僕のやり方と合っていないだけなんですけどね。とにかく1人、顔を思い浮かべろと。自分でもおばあちゃんでも友達でも恋人でも誰でもいいんだけど、誰かの顔が思い浮かばないんだったら、それは自分がやるべきことじゃない。その顔が思い浮かぶ誰か別の人がやればよくて、わざわざ自分がやる必要が無いことであると思います。
特定の誰かのために作るサービス、みたいなものが常にベースになるので、結果的に個人に向いたサービスになるんだなぁと思います。もともとBASEも鶴岡くんのお母さんに向けたサービスでしたしね。 そういう思想で作ると、最悪そのビジネスが上手くいかなくても、最低でも1人は喜んでくれるんですよね。それってすごく良いなと思っていて。結果、誰も喜びませんでしたになってしまうと悲しいけど、上手くいかなかったけどこいつだけは喜んでくれたっていうのがあると、もはやそれは失敗ではない(笑)。そしてよし、もう一度何かやろうって思えるんですよね。
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インターネットの本質は、無名で力もお金もない人間が、声をあげられるためのもの
家入さんが作られてきたサービスはたくさんありますが、1つ1つどんな人を思い浮かべていたのか気になります。
CAMPFIREは自分自身や芸大予備校時代の友人だったりします。 個展をしようと思ってもギャラリーを借りるのって意外に高いんですよね。だから、みんなグループ展とかをよくやるんですけど。当時10代の後半頃に、福岡でお金がない中グループ展をやったんですけど、そういう人ってたくさんいるんだろうなと。そんな、絵に限らず表現をしようとしている人たちのために、自分に何ができるだろうか、みたいな。絵描きやダンスをする人、DJ、演劇の人達が、僕の周りに多いんです。好きなんですよね、こいつ絶対大成しないだろうなって人がたくさんいて、でもそういう人が、必死に頑張っていたりするじゃないですか。 そういった人が使えるものを作りたいってのがずっとありまして。一番最初に作ったサービスのロリポップ!レンタルサーバーもそういう思いでしたし、もっとお金の支援ができたら、という意味でCAMPFIREを作りました。
僕は、引き篭もりだったときからインターネットに助けられていたんです。インターネットは、無名で、力もお金もないような人間が、地方に住んでいても声をあげられようになったことが本質だと思っています。
クラウドファンディングでも、多額のお金が集まった事例や大企業、有名人が利用した例などが話題になりやすいですが、大事なのは、その裏にある、5万円を集めて個展をしました、10万円を集めてフリーペーパーを作りました、というような、決して光は当たらないかもしれないけど、それを使うことで声を上げられた人たちの存在だと思っています。インターネットはそういう人たちのためにあると思っていますし、起業するのも同じですよね。力もお金も無くて無名な人が起業をする時に、僕に何ができるのか、を考えていきたいと思っていて。エンジェルが増えているのはとても良いと思いますし、エコシステムが出来てきたとも感じるんですが、一方で、若くて経営についてよくわかんないまま起業した人に対して、時間を奪う起業家上がりのエンジェル投資家もいるなと思うことも増えて来ました。 有安さんも、『良い経営者が良い投資家であるとは限らない』って言っていましたけど、本当にその通りだと思いますね。時間を奪う投資家には本当に気をつけろと言っています。じゃあ自分が全くそういうことをしていないかというと、不安になりますけどね(笑)
出資したからと言って、上から偉そうにトンチンカンなことを言ってくる投資家とか、株主だぞ、と毎晩のように飲みに連れ回されたりと、時間を奪う人っていっぱいいるんですよ。言うこと聞かないなら株を買い戻せ!って言ってくるエンジェルとか。それってリスクマネーでもなんでもないですよね。
それで言うと、家入さんはどういった距離感で起業家と接していますか?
基本はおまかせですね。求められれば定例なども参加したりしますが、出席率はだんだん悪くなる方です(笑)。人を繋いだり、次のファイナンスを一緒に考えたり、悩み相談に乗ったりは頻繁にあります。
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相談を受けることは多いですか?
事業面の相談と言うよりは、人生相談みたいな、心の相談はよくありますね。起業家って誰にも相談できないことも多いですし。
例えばどんな事例がありますか?
ある起業家の子でいうと、事業面においては他のエンジェルががっつりメンタリングしてるので僕の出番はなかったりするんですね。でも例えば「遅刻して偉い人を怒らせてしまいました……。」なんて落ち込んでる時には、僕に相談メッセが飛んでくる。そこで僕は「遅刻したくらいで怒る奴とは、いづれ時間の問題で喧嘩になってるだろうから、今のうちにわかって良かったんだよ」と励ましました(笑) ビジョンやミッション制定などの時もよく相談がきますね。その子のやろうとしていること、実現したい世界を研ぎ澄ませて言って言葉に落とすのは得意なので。 最近だと投資先の ツクリンクのビジョン相談にも乗ったりしてました。僕、昔、春の起業祭りっていうのをやったんですよ。そこで生まれた会社です。
あー、それ懐かしいですね。見ていました。
Twitterでハッシュタグをつけて呟いてくれたら、その中からランダムに3名ピックアップして無理やり起業させます、というのをやったんです。めちゃくちゃ応募あったんですよ。1〜2万人くらい。最終的に、選ばれた3人は起業できなかったんですけど、起業祭りで選ばれなかった人たちが勝手に「負け組の会」なんてグループを作り始めて、「自分たちを選ばなかった家入を見返そう」と、そいつらで起業したんですよ。それがハンズシェアという会社で。
「家入さん、俺ら起業しました」って言いに来たので、何やるのって聞いたら、「ベンチャーのステッカー作成代行やりますよ」と。うーん。。。と思ったけど(笑)、経緯が面白かったから出資させてもらったんです。そのサービスは結局ピボットしたんですが、代表の内山くんがもともと鳶職だったので、過去の経験や鳶職ならではの悩みを考えた時に、テクノロジーで鳶職の人たちと現場をマッチングするサービスをやったら面白いんじゃないか」ということでツクリンクというサービスを始めたんです。これが伸びてるんですよね。Sudax (エンジェル投資家 須田さん)も可愛がっていますね。
そういえば、Sudax経由というのもちょくちょくありますね。もともとCAMPFIREの石田くんもSudax経由ですね。彼もアエリア出身だったんです。当時彼が、農力村という畑の区画買いサービスをやっていまして。要は、このおじいちゃんの畑のここの区画を買いますっていうシムシティみたな指定ができて、その区画で獲れた米が実際に送られてくるんです。最近楽天が近しいサービスを始めていますね。 僕はめちゃめちゃそのサービスが好きで、彼がアエリアを辞めようとしていたので、そのサービスを僕が引き取ろうとしたら石田くんもついてきたっていう経緯です。
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時代の先をいくサービスをいくつも生み出していた
ツクリンクもあの時代で考えたらだいぶ早いサービスですよね。
そうなんですよね。時代が追いついて来た(笑)。そういうのが結構多いですね。先日、BASEの鶴岡くんとイベントをやっていて面白い話がでまして。昔に作った、Livertyという団体から生まれたサービス一覧を見ていたら、結構時代を先駆けしているものが多かったんです。
例えば、ぼくのおつかいというサービス。当時大学生で暇をしていた2人組が、「お遣いだけで食っていくことができるのか」ということを実験してました。港区限定でやっていましたが、グーグルマップでそいつがいる場所を常に表示して、タバコを買ってきてとか電池を買ってきてみたいなお遣いをして500円をもらうという(笑)
スケールが大変そう‥(笑)
そう思うじゃないですか!でも、このサービスでこいつらが食えたら、世界中の時間が空いている奴らがマネタイズできるじゃんという。そして、これってUber Eatsじゃん!みたいな(笑)めちゃくちゃ早かったんですよ!
他にも、俺の俺による俺のための俺サロンっていうのがありまして。 有料で会員制の非公開のグループを作って、その中で交流とか発信とかやれるというサービスもありまして。でもこれって今で言うオンラインサロンじゃん!みたいな(笑)
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起業は、壮大な社会実験
それらは、実際に始める人に対して家入さんがコンセプトを話されていたんですか?
そうですね。これからの時代は、個人の時間や能力だったりの、個人を切り売りする時代になるだろう、と。なので、個人をエンパワーメントするようなものを作ろうと。 ただ、僕らのやることとしては、特定の誰かがそれをまずやるところからしか物は始まらないという先の思想があるので、実際に時間が空いた大学生がいたから、お遣いをやらせてみたりしました。
他にもHayazonっていうのもありまして。東京中の本屋に大学生を1日中待機させておいて、注文が入ったら最寄りの本屋で買って自転車で運ぶという(笑)1〜2時間くらいで運べたので、Amazonより速いHayazonという名前にしましたね。これは1日で終わりましたが(笑)
先ほどのお遣いの2人は、今何をされているんですか?
1人はBASEでプロダクトマネージャーになっていて、もう1人は東大の准教授だったかになっていますね。すごいですよね。イエガネーゼなんて呼んでて、当時はふたりとも家が無かったんです。 ふざけてますよね、ほんと(笑)2人とも生い立ちがすごく複雑なんですが、そういう子が大好きなんですよね。やたら僕の周りに集まってくるんですよ。どうしようもなかったりもするんですが、それがまた良いんですよね。
他にも、顔面広告というのもありまして。フリー素材でよく見る大川竜弥くんですね。当時僕のアシスタントだったんですが、本当に何もできない人間で。でも何もできないけど顔面に広告枠だけはあいてるなと思って、顔面に広告貼って生きてみたら?と言ってみたんです(笑)そしたら3ヶ月くらい食い繋げたんですよね。人間の空いた枠をリソースとして売るという、良いサービスだったなぁ・・。
要は起業なんて、壮大な社会実験だと僕は思っているので。
これは後付かもしれませんが、僕はもともと絵描きになりたかったという、モノに対する、自分なりの答えがあります。この時代において、自分が感じることが何かあって、それをキャンバスにぶつけることが絵画で、それを歌にするのが歌手なんだとすれば、起業家というのはきっとビジネスでそれを表現しているんだろうと思っていて、そういう意味で言うと、アートも起業も大差ないと思っているんですよね。要は、社会という池に石を投げ込むという行為なんです。波紋が起きるということは賛否が生まれることでもあるんですが、波紋は大きければ大きいほど良いと思いますね。出資相談されたら、起業家として何を表現したいのか、最終的にどういう世界を目指しているか、みたいな話は聞くようにしてますね。
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社会不適合な人間が自分の居場所を作ることで、世界は変わる
それで言うと、家入さんはどんな世界を作りたいですか?
僕は『やさしい世界』が良いです。あれ、急にふんわりしちゃいましたね(笑)
日本は課題先進国じゃないですか。世界で豊かになりつつある国も、すでに豊かさを実現した国も、日本が今抱えているような問題をどの国もこれから先、迎えていくと思うんです。 解決のためのロールモデルは、課題先進国である日本だからこそ作れると思っていて。日本で生まれて日本で育って、今日本に生きている意味って、逆に言うとそこにしかないと思っていて。ここでいう意味っていうのは、課題に対して何ができるのかを、1人1人が考えることですね。そこに対してビジネスという形で向き合うのが起業家なんだと思います。そう考えると、特に若い人は生きづらくなっていくと思うので、自分は生きていて良いんだ、自分は声をあげて良いんだって思える社会がいいし、その時にそういった声を挙げられる社会が良いなと思います。
起業家なんていうのは、往々にして社会不適合な人間が本当に多いんですよね。僕もそうですけど、同世代や他の起業家と飲みに行っても、良い意味でも悪い意味でも人間的に破綻している人が多いんです。そういうのも含めて、社会に馴染めなかった人たちなんだなって思います。良くも悪くも。 そういった人たちが、自分みたいな人間でも生きていける世界を作りたいというのが起業というものなんだろうなと。自分のような思いを抱えた人が、他にもたくさんいるだろうと、自分を含めてそういった人たちが生きていける社会をつくりたい、というのが起業家の目指すところなんだと思います。
世界を作るという意味は、きっとそういうことなんだろうなと思ってます。 不適合者が自分の生きていける世界を自分で作ろうという、ある種独善的な世界なんですよね。僕が「居場所を作る」って言っているのも、一見良いことを言ってるなって感じるかもしれませんが、全然そんなことは無くて。僕がこういう世界が良いなと思っている世界を、僕の独善的な価値観にもとづいて作っているわけで、でもそれって違う方向からみたら悪だったりするんですよね。でも僕はこういうやり方でしかできません、という。
結局、社会に自分を合わせられなかった人が、むしろ自分側に社会を寄せようとしてるんじゃないかな、起業家って。業が深いですよね。起業って「業を起こす」って書くんです。
そんな家入さんの人生を変えた格言や言葉ってありますか?
若い頃は、『どうせ死ぬなら前のめり』という言葉を良く使ってました。でもなんか、熱血っぽくて僕らしくないなちょっと・・(笑)
毛沢東の言葉で、革命家の定義は『若いこと、無名であること、貧乏であること』というものがありまして。
若い・無名・貧乏、どこに一番刺さりましたか?
要は、僕自身もかつてそうだったというところですかね? 僕なんかたいしたことないですけど、例えば、堀江さんや孫さんなど、そういったすごい人をみると、いきなり堀江さんになった、いきなり孫さんになったような感覚に陥るじゃないですか。生まれたときから天才みたいな。 でもそんなこと全くなくて。みんな同じような若い頃だったと思うし。 でもただ違うのは、一日一日やるべきことを一歩一歩やってきた結果が今であって、いきなり堀江さんじゃないんですよ。みんなそこを間違えちゃうんですよね。ワープしていきなり堀江さんになったわけじゃないんです。みんな誰しも若かった頃や無名だった頃、貧乏だった頃、フォロワーが0だった時があるんです。
かつての自分を思い出してみると、福岡の片田舎で、無名で、中卒で、親も自己破産していて貧乏だったんですよね。そこから自分に何ができるかをやってきた結果だと思っていて。全然まだまだですけどね。。なので、この3つは忘れてはいけない言葉だなと思っています。
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常に自分たちが何と戦うべきかを明確にせよ
なるほど、良い言葉ですね。
あとは、『戦う相手を間違えるな』というのも最近よく言いますね。 僕らは僕らの目指したい世界を作るために、日々ビジネスやプロダクトを作ったりしていますが、往々にして、うっかり全然違うものと戦ってしまうことがよくあると思います。 自分の信じる世界を創るために、自分たちのやるべきことをやればいいはずなのに、自分の意見を批判してくる人と戦っちゃうじゃないですか?それって、戦う相手を間違えてるんですよね。 投資家も同じで、出資して、起業家が目指す世界を作るために、同じ船にのって一緒に何ができるかを考えるべきなのに、株主として物を言いたい、などと、起業家の時間を奪ったりと、そうなってしまうと戦う相手が変わってしまうんですよね。 常に自分たちが何と戦うべきかを明確にして、本質を見続けないと、人間ってすぐに間違ってしまうんです。
もちろん人って感情の生き物だから、日々いろんな局面で色々な感情がうごめくわけです。ただ、そういうのに振り回されていると、自分たちが何と戦うべきかがわからなくなってしまうんです。
ありがとうございます。ちなみに、最後に気になっていたことを伺いたいのですが、家入さんにとって、趣味は何ですか?
趣味は無いんですよ〜・・。あえていうなら読書や映画くらいかな。アウトドアやスポーツも嫌いですし・・
カメラが好きで持ち歩いてるとか、メガネも100本近く持っていると伺っていたので気になったのですが・・。
それwikipedia情報ですね(笑)カメラはもうやらないですね。メガネはいっぱい持っていますけど、引越しに伴いどんどん失くなっちゃって、今は10本くらいですね。
そうなんですね(笑)他の記事で、普段カメラを持ち歩かれていると仰っていたので、日々どういうところに感動して写真を撮っているのかなぁと気になりまして。
撮りはしませんが、マンション・・とか好きです(笑)都内の高速に乗ると、マンションがいっぱい見えるじゃないですか?あの1個1個の明かりというか、部屋を見るのが好きですね。パッと電気がつくと、今帰ってきたんだなぁ。22時だから残業だったんだろうなぁとか、今からテレビ見ながらコンビニ弁当食うんだろうなぁとか。あー、今電気消えたから寝るんだろうなぁみたいな。
それ、ストーカーじゃないですよね?(笑)
そうですね、紙一重かもしれません(笑) 要は、僕が一生知り合わないような人達が、こんなに世の中にたくさんいるんだということを知ると、自分という人間がいかにちっぽけかということを知るんです。自分のことなんて誰も知らないし、自分がやっていることは誰にも影響を及ぼさないし、これだけ知らない人たちが世の中に生きてるんだということを知ると、「よし、やろう」と元気が出るんです。本質に立ちもどれるというか。それは自分にとって、すごく良いことなんです。
最初の話にもどりますが、要は、自分なんて今生きてようが死のうが世界にとっては大差ない、という発想が僕の思想の根底にあって。どうせ大差ないのだったら、死ぬなら前のめり精神でやり切ったほうが楽しいなと思ってるぐらいなんですよね。